夕日の帰る場所へ

私は今日も生きる

9月7日の手紙 お母さんてバカみたいだよね

カホちゃん

元気にしていますか


お母さんね

淋しい夜には

車でカホちゃんが住んでいたアパートに行くんだよ

で、玄関前に車を停めて2階のカホちゃんの部屋をじっと見上げるの

まぁ10分くらいね

それ以上いると警察に通報されそうだからね


それからよく一緒に行ったスーパーに行って

姿は見えないカホちゃんに話しかけながら買い物するの

聞こえてる?

「えっ!この高いけど美味しそうなブドウ欲しいの?困ったなぁ…」とかね

これじゃあ独り言言ってる危ないおばさんだね


そして夜中の道を喉が痛くなるくらいの大声で


「カホちゃーーーーん」


「カホちゃーーーーん」


「カホちゃーーーーん」


と泣きながら叫んで運転するの


聞こえてる?


きっと対向車線の運転手がふっと私の顔を見たら

眠れないほどのトラウマになりそうな顔してる自信があるよ


これじゃあ 全く不審者だよね


捜しに行ったけど会えなかったなと

結局、更に悲しくなるんだけどね


お母さんてバカみたいだよね



そんなお母さんに

車に貼ってあるカホちゃんは

いつも笑顔を見せてくれるね


カホちゃんの笑顔に

思わず私も笑顔になってしまうよ

カホちゃんの力はすごいなぁ


大好きだよ


ありがとう

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