5月19日の手紙 嘘つき
カホちゃん
元気にしていますか
(公園のバラ)
今日もお母さんは
おじいちゃんの顔を見に行って来ました。
おじいちゃんは昔から将棋が好きで
デーサービスで同じく将棋が好きな人と
楽しんでいたけど、
もっともっと将棋をしたいと
市の福祉センターでやっているサークルみたいな所を探して、
先日入会申し込みをしました。
会長さんはおじいちゃんと同じくらいの歳の方で、
入会申し込み書に記入する際、
目に自信がないおじいちゃんの代わりに、
おじいちゃんの渡した住所のメモを見て
代筆してくれたそうです。
数日して市の方から入会証のハガキが送ってくるはずでしたが
会長さんの方に住所不定で送り返されたようで、
会長さんからおじいちゃんに電話がかかってきました。
どうやら住所が間違って記載されていたらしく
◯浦町 が 浜◯町になっているようでした。
おじいちゃんはいつもポケットに入れている住所の紙を会長さんに渡しただけです。
もちろん紙には◯浦町とあります。
私の予想では会長さんは 『浦』という字で海を連想し、
同じく海の関連の『浜』が出てきてしまったんじゃないかと思います。
「住所に嘘を書いてはダメだがね。
あんたみたいに嘘書く人は初めてや!」
と電話で怒られたそうです。
おじいちゃんは
「それはどうもすみません。ごめんなさい。」と、
考え付く限りの言葉で謝ったそうです。
(公園の、群れ翔ぶ鳥のような、やまぼうし の花)
お母さんはスッキリしません。
おじいちゃんは嘘つきじゃないのに。
「デーサービスに来る人に同じように、
外から見れば全く普通だけど、
おかしい事を主張する人は大勢おる。
たぶん病気があって悪気はないで
仕方がないんや。」
と、おじいちゃんは言うけど。
そこまでして将棋がしたいんだから
仕方がないかもしれないけど。
おじいちゃんも、
記入を丸投げして確認もしなかったのは
悪いと思うけど。
嘘つきじゃないのに。
お母さんはモヤモヤします。
カホちゃん
どう思う?
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