夕日の帰る場所へ

私は今日も生きる

4月30日の手紙 鯉のあらい

カホちゃん

元気にしていますか



(雨あがって夕焼け)



カホちゃんはうちであった

《鯉のあらい事件》覚えてる?




☆  ☆  ☆  ☆  ☆





それは昔々25年ほど前の事でしょうか

当時私は義母とまだ幼い娘2人、


週末毎に単身赴任先から帰ってくる夫と

住んでいました。



(ネコも流行りのグランピング)




初夏の頃だったでしょうか


隣の家のおじいさんが

勤め先の造園所の池で


大量に浮き上がって死んでいる鯉がいたと

我が家にも持って来てくださいました。



(画像はお借りしました)




「きっと酸欠だー」と。

隣の家では鯉味噌にすると言って帰ったあと


義母はもらった鯉を

ニコニコして眺めていました。





「ただいまー」と、私が子供と公園から戻ると


「れんげさぁーん、みてみて。」と大きな皿に

美しく薄く切られた刺身が並んでいました。


(画像はお借りしました)




「ほれほれ、おばあちゃんが美味しい鯉のお刺身作ってあげたよー。

酢味噌つけると美味しいんだよー」



身を乗り出して皿を見る娘たちに

義母の自信満々な説明が続きます。






「ちょっと待って。お義母さん。


酸欠酸欠って言ったって、

検査したわけじゃないのに。


もし、酸欠じゃなくて、

誰かが池に毒を入れてたらどうするの?」



私の頭の中で危険危険とサイレンが鳴り響いて

言わずにはいられません。



「そんなもん、酸欠に決まっとるがねぇ」




義母に睨まれても

子供の危険は回避しなくてはいけません。




「決まってるかもしれないけど、

そうじゃなかったら困るから、


これはお義母さんが食べてください。

子供には怖いです」



義母はブツブツと文句を言い続け、

その日は私と口をききませんでした。





(画像はお借りしました)





次の日の朝も気まずい空気で、

私は子供たちと

公園に行き、


昼に帰ってくると

ニコニコ顔の義母が


「れんげさぁーん、みてみて。

鯉の天婦羅だよ。美味しいよ。


カホちゃんも食べやー。

おばあちゃんが腕によりをかけて

作ってあげたよー」と。



昨日の鯉のあらいは

美しい天婦羅にリメイクされていました。


(画像はお借りしました)




「生はイカンけど、火入れればいいんでしょ?」

どうだ!と言わんばかりに笑みを浮かべる義母。




「お義母さん。

せっかく作ってくれたのに

本当に申し訳ないけど、


煮ても焼いても、

毒は毒のままだと思います。」




「なにぃ〰️、バカにしくさって!」



     (  画像はお借りしました  )





義母はベットに戻って行きました。

(義母は難病療養中のため基本ベットにいます)





🌙  🌙  🌙  🌙  🌙



『子はかすがい』


夫婦間の事に使う言葉かと思いますが

義家族の関係にも使えると思います。




が、子供の健康を心配しなくても良ければ

私も自分の健康より義母の頑張りをたたえて


きっと鯉のあらいを食べていたと思います。

子供のために主張する事で

不和になってしまうのです。





れんげの迷言


『子は不和の元』


☆  ☆  ☆  ☆  ☆




カホちゃんも思い出した?


笑っちゃう思い出だよね。



そっちでおばあちゃんによろしくね。


えっ、怒ってるって?(汗)





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