夕日の帰る場所へ

私は今日も生きる

3月19日の手紙  立派な家に

カホちゃん

元気にしていますか




カホちゃんが小学生の頃

ゲームキューブでどうぶつの森が流行って


お母さんとお姉ちゃんとカホちゃんと

よくやったよね。





どういうわけか

頼んでもいないのに


たぬきちというお店をやってる人が

勝手に家を良い家に建て替えて


唖然としているうちに借金持ちにされてしまうのです。





ゲームの中とはいえ

借金したままでは気持ち悪いので


お母さんは住民と交流もせず

ひたすら借金返済をしました。




まず、島に昔からある果物は安いので

木をほとんど伐って

他の島の高い果物と入れ替え


あとはひたすら

収穫し売り 収穫し売り


を繰り返し、やっと借金を払い終えました。




だけど、お母さんは習慣になってしまった

収穫、売り、収穫、売りのループから抜け出せず、


どんどんお金をため

大きなお金の袋💰を家の中に積みまくりました。



親戚の子がそれを見て


「れんげさん。住民と交流しないなんてありえない!

これはそういうゲームじゃないですよ。」


と言われてもお金の袋を作り続けました。



お姉ちゃんもひたすら釣りをして借金を返し、

やっぱり家中にお金の袋を積みました。




住民の誰とも交流してないけど

必死に貯めたお金の袋を家中にあふれさせ

お母さんは満足していました。




ある日、カホちゃんが

お母さんとお姉ちゃんに泣いて訴えました。



何がどうなったのかよくわからないけど

セーブデータを失くし、

家の借金を一から返していかなくてはならなくなった。


お姉ちゃん、お母さんだけ

大きな家になっていてもう借金もない。


私だけこんなボロの家だと悲しい。


大きな家にしたいから、二人が貯めたお金の袋を送って欲しいと。




せっかく貯めたのにと思ったけど


お姉ちゃんもお母さんも

カホちゃんがかわいそうだと


お金の袋を送りました。




数日後、立派になったはずの

カホちゃんの家を見に行きました。



家はボロ家のままでした。





そのボロ家のまわりに何十もの

カラフルな傘が並び、




家の中は色とりどりの服がいっぱい

あふれていました。






カホちゃんは家を立派にするからと

お姉ちゃんとお母さんから送らせたお金を





大好きなファッション(傘と服)に

全部使ってしまったんだね。







クラクラしたよ。







忘れられません。





面白い思い出です。





ありがとうね。






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