夕日の帰る場所へ

私は今日も生きる

5月12日の手紙 すごい人

カホちゃん

元気にしていますか






カホちゃんが高校生の終わりごろ

喫茶店での馬頭琴ミニコンサートに

行った事があったね。


   (画像はお借りしました)




あの「スーホの白い馬」で

馬頭琴に興味があったというカホちゃんは




モンゴルから来たという

中年のおじさんが奏でる美しい音色に

満足そうに聞き入っていたね。







演奏も終わったおじさんは

店のドアの前にCDを並べて

笑顔でお見送りをはじめ、





お母さんは、確かに演奏は素晴らしかったけど

CDを買う予定はないからどうしよう。



ササッと通るしない!と、




お姉ちゃんの袖を引っ張り

後ろからカホちゃんも


ついて来ると信じながら

通り抜けようとしたその時、








「ああ、もう、素晴らしかったです!

美しい音色に感激しました!」




と大きな声が…………。




振り返ると

カホちゃんとおじさんが両手を握りあっていました。




そんな事を言ったら、

CDを買わなきゃならなくなるのに…………。



お母さんは心配しました。






でも、おじさんは




「ありがとう。ありがとう。

でも、美しいのはあなたのほうです。

あなたのほうがもっと美しい!」





はぁ〰️?

なんなの?それは。






演奏は素晴らしかった。


でも中身は軽いおじさんだったのか……。


なんだかなぁ。








そしてCDを買わずに

堂々と通り抜けできるカホちゃんが

すごい人に見えました。










忘れられません。






面白い思い出です。






ありがとうね。







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