5月29日の手紙 練習の成果
カホちゃん
元気にしていますか
カホちゃんが逝ってしまう2年ほど前、
カホちゃんとお母さんと
二人で台湾に行ったよね。
(十分の空にランタンを放すカホちゃん)
とてもとても楽しい旅行だったね。
カホちゃんは名物だから
どうしても本場のタピオカミルクティーを飲むと
意気込んで
ガイドブックで調べたお店に
タクシーで向かったよね。
そしてタクシーに乗ると直ぐ
ガイドブックに載っている会話集を見て
「タピオカミルクティーをください」
を現地語で練習しはじめたよね。
「タピオカミルクティーをください」
「タピオカミルクティーをください」
「タピオカミルクティーをください」
「タピオカミルクティーをください」
「タピオカミルクティーをください」
「タピオカミルクティーをください」
「タピオカミルクティーをください」
「タピオカミルクティーをください」
「タピオカミルクティーをください」
と、到着するまで
10分以上も同じ事を言い続けて……。
私が運転手さんだったら
「もう、いい加減にして!」
と、言いたいところだと思ったけど
運転手さんは、ひきつった笑顔で
送り出してくれたよね。
さて、さんざん練習したカホちゃんの
成果はというと、
な、な、なーんと
チェック表のような紙を渡されて
タピオカミルクティーにチェックするだけ!
運転手さん。ごめんなさい。
優しいあなたの忍耐は無駄でした。
忘れられません。
面白い思い出です。
ありがとうね。
、